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2012年、アイドル〜ハロプロにはまってもろもろ。

2/3 映画『ピンカートンに会いに行く』感想

なかなか良い映画を見たので感想を書き残しておく。

あらすじ&予告編

かつて、ブレイク寸前で突然解散してしまった伝説の5人組アイドル「ピンカートン」。20年が過ぎ、リーダーだった優子は今も売れない女優を続けていた。ある日、優子の元にレコード会社の松本と名乗る男からかかってきた電話。それは「ピンカートン再結成」の誘いだったのだ。
http://www.pinkerton-movie.com/

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ここからはネタバレを含む話。

最初の印象、映画のテーマ

このブログの最初に「なかなか良い映画を見た」と書き始めた割に、最初の印象は「感情描写が雑だな」というあまり良くないものだった。

登場人物達がなぜその言葉を発したのか、なぜその行動をしたのか、という描写がスキップされていて、感情移入ができない。膨大なプロットをこなすスピード感を重視した結果なのだとは思うが、これでは登場人物の感情がデフォルメされてしまう。

自分はアイドルオタクだ。この映画を見に行こうと思ったのも、アイドルを題材にした映画だったからだ。なので、実際のアイドル達の苦悩だったり、感情描写というところにリアリティーがなく、単なる舞台装置としてのデフォルメされた扱いに、最初はちょっと辟易した。「またこういう扱いか」と。

特に、物語上重要であるはずの、過去の解散シーンと、再結成に向けて各人の気持ちが前向きになる過程がサラッとしか触れられていない。

だからこの映画は、アイドルを題材にしてはいるけれど「20年越しの壮大な仲直りの物語」なんだなと思う。そう考えると確かに、主人公の鉄壁なまでの嫌なやつぶりと、それを踏まえた上でのライバルとの仲直りシーンはグッと来るものがあった。

ただ、それだけでは「なかなか良い映画」とはならなかったと思う。

最後の感動、やっぱりアイドル

この映画で一番感動したのは、間違いなくラストのライブシーン。

過去と現在が交錯しながら、メンバーが心を一つにして歌とダンスを披露する。目の前にいるのは満員の客席ではなく、前方数列しか埋まっていない客席。だけど、それを見ている松本(再結成の発起人)の顔が、どんどん明るくなっていくのだ。

それはそうだ。中学生の頃に好きだったアイドルのコンサートに初めて(?)行くはずだったのにまさかの当日中止⇒解散となってしまった幻の存在。その人たちが今、目の前で歌って踊っている。そんな嬉しいことがあるだろうか。

アラフォーと呼ばれる年齢になっても、ファンにとってはいつまでもアイドルなのだ。よく世間では「オタクはすぐに若い子に流れる」と言われるし、アイドル本人も「もうそんな歳じゃない」ということを言うけれど、本人がその気なら、アイドルはいつまでもアイドルでいられる。

その事実を一番感じられるのがライブだし、だからラストのライブシーンを見て、それまでの細かい瑕疵はいっぺんに吹き飛び、「やっぱりライブは最高」「アイドルはいつまでもアイドル」と思って急激に感動したのである。

また曲もけっこう良いんだこれが。

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※残念ながらリリース予定は無いらしい……。

20年という時間

今回の設定は、「15歳の頃に解散したアイドルグループを35歳になって再結成しよう」というもので、登場人物は口を揃えて「そんなの無理に決まってるじゃん!イタいよ」と言うのである。

だがしかし、ハロープロジェクト、そしてモーニング娘。は去年〜今年で20周年を迎えた。あの頃のオリジナルメンバー5人は、劇中のピンカートン達と同じような年齢である。そして、先日は現役メンバーのコンサートにサプライズで出演し、パフォーマンスを披露した。

そのオリジナルのモーニング娘。に対して、「もう無理」という声なんて、一言も聞こえて来なかったし、本人達だって言わない。ダンスのキレは落ちたかも知れないし、声量や声の伸びにも影響があるかも知れない、それでもちゃんとダンスレッスンやボイストレーニングをして、ファンの前に立つ時は「アイドルでいる」ことを守ったのだ。

僕はそれをすごいと思う。できれば今の推しにもそうあってほしいし、年齢がアイドルの限界を決めるなんて風潮はなくなってほしい(男性アイドルに比べて女性アイドルは特に圧が強い)。上映があった日はたまたま舞台挨拶があった日で、ピンカートンのうち3人の女優さんが登壇されて「できればまたライブを披露したい」と仰られていて、ぜひやってほしいと思ったのである(生歌で)。

おすすめ度

ライブは最高、アイドルはいつまでもアイドル、ということを改めて実感させてくれる映画として、個人的にはけっこう好きな映画。そしてデフォルメが嫌でなければアイドルオタクにもおすすめできる。

それとは別に、「大人の女性の仲直り」を描いたコメディーヒューマンドラマ、として見ると割とどんな人でも楽しめるのでおすすめである。